アーティストである、Tracey Eminが自身の生活していたベッドをそのままインスタレーションとして使用した。誰にでもある日常をアートに落とし込んだ作品。今回の企画も似たコンセプトです。 |
職業柄、半年に一度行われるファッションウィークを毎回チェックしますが、今回はいつも以上に痺れる部分がありました。そこで気づいたことは、今良いなと思うモノやルックはごく一般的なカジュアルな服。大衆の人、どの世代の人も着ている日常的なアイテムを非日常的に変換しているアイテムやルックに魅力を感じます。
1つ例を挙げると
23SS Bottega Veneta (kate Moss) |
日常にありふれていそうなチェックシャツ。
しかしよく見るとレザー。敢えて騙すようにこのチェックで作ってる感じも憎いなと。近づいてやっと気づく違和感。一気に非日常感に。
そう、この振り幅が好きなんです。今の時代の天邪鬼さはこの感じでしょうか。
中でも1番着たいカジュアルウェアは、パーカーとスウェットパンツ。これを川西さんに贅沢に料理してもらいました。ほんとバカな企画です。
光沢とトロトロさ。シワのドレープがすごい。 |
天然のアザミで掻く事によりできる鱗のような毛並。 |
写真だと伝わりにくい。でも良い。ボッテガだってそう。
生地はこの後川西さんが説明してくれますが、ヴィトンをはじめラグジュアリーのメゾンが使う最高級カシミヤで、シルク100の総裏地付きです。シルエットはオーバーサイズで、もうアウター。
オーバーサイズはもういいよと言う人もいるかもせれませんが、この生地にはそれが最適であり、たっぷり感が素晴らしいです。ただ、余計なデザインは一切取り入れず、ごく普通のパーカーに仕上がってます。
ポケットの袋だけ丈夫な生地を使用。ガンガン使える日常カシミヤパンツ。 |
内側にヒモが付いてます。もちろんヒモもカシミヤ。 |
かわいいですよね。こんなヘンテコなタグが付く値段ではない。 |
パンツもデザインされてないように見えるデザイン。ワイドなシルエットに裾は絞りでキュっと。生地がたまったり、トロッと落ちるシワは別格。それだけですが、それだけなのが良いです。同様にシルク100の総裏地付きで他のパンツが履けないくらい気持ちいい。
写真だと伝わりにくいモノなので実際お店に来て試して欲しい。
冒頭に載せたTracey EminのMy bedのように日常をアートと化したコンセプトで取り組んだ。という言葉にグッときて、最も無意味で最高級な日常着を作りました。に笑いました。その通り。以下、レシスデザイナー川西さんの文章です。
なぜこんな難しいことばかりしてしまうのかと、たまに自分が嫌になります。でも好きなのだから仕方ない。
パーカーとスウェットパンツ、ユニクロで3000円あれば上下買えてしまう。
だからこそ、”ムダ”にこだわる理由が今の時代あると本気で思っています。
cashmere hoodie ¥300,000(330,000)
cashmere sweat pants ¥250,000(275,000)
strips st
13:00-19:00(closed wednesday)